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双極性障害

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現代に増える深刻な症状

「こころの時代」と言われる現在では、「うつ」症状が大きな問題として扱われています。
ですが実際に精神的な病で悩んでいる人の多くは完全な「うつ」ではなく、むしろ「双極性障害」であるというケースがよくあります。

ごく簡単に説明をすると、「うつ」というのは心や体に気力が起こらず、落ち込んだ状態が続くことをいいます。
一方で「双極性障害」の場合には気分は一定ではなく上がったり下がったりといったことが繰り返し起こってきます。

そのため最初はひどい落ち込み症状があったことで心療内科を受診したものの、数日してすっかり気分が晴れて明るくなったのでそこで投薬や通院をやめてしまうということがよくあります。

しかしそうした見かけの改善はうつ症状が改善したのではなく、双極性障害として反動で平常以上に気分がよくなっていることが多いのです。

山高ければ谷深しという言葉の通り、一見改善されたと見られる気分が大きなものであればあるほどその周期が途切れたときの落ち込みも大きくなったりします。

こうした気分の波は真面目な人にこそ大きく起こる傾向があるようで、最初はひどい落ち込みから会社を休職した人が、気分が改善したと思って復職したところすぐ前回以上の落ち込みを感じるようになったというケースが見られます。

双極性障害Ⅰ型とⅡ型の違い

双極性障害とされる症状の中にもⅠ型とⅡ型という種類があります。
そもそもの「双極性障害」とは、別名「躁うつ病」と言われるように気分の上下があり精神状態が安定しない人のことを指すものなのですが、この気分の上下の波にも幾つかのパターンがあることがわかっています。

簡単にまとめると、双極性障害のⅠ型は「躁状態とうつ状態を繰り返す」ものであり、Ⅱ型は「軽躁状態とうつ状態を繰り返す」というところに特徴があります。

身近に精神疾患として診断された人がいない人にとっては想像がしがたいかもしれませんが、この「躁状態」と「軽躁状態」は大きく異なります。

医学的な分類としては「躁状態」とは、別人のように態度が大胆になったり、普段は口にしないような明らかにおかしい強気な発言をするといったような特徴が見られることです。

一方の「軽躁状態」とは、一見して見分けがつかないような、ちょっと気分がいい、ちょっと強気になっているといった範囲にとどまります。

臨床例においてはⅠ型よりもⅡ型の方が圧倒的に多く、それだけに身近にいる家族やパートナーにとっても発見しづらい症状であると言えるでしょう。

Ⅰ型とⅡ型は治療方法や薬剤も異なることから、早期に発見するということが重要になります。
それまで無自覚だった人も診断を受けることで楽になるということもありますので、心当たりのある人は早めに受診することを勧めます。