境界性パーソナリティ障害

情緒不安定で人間関係に問題がある人に見られる症状

ここ最近急激に耳にする機会が増えてきた言葉の一つに「境界性パーソナリティー障害」というものがあります。
これは精神科の診療によって診断される分類の一つであり、もともとはアメリカの精神医学会が刊行している「DSM(精神障害の診断と統計の手引き)」に記載されているものです。

DSMは人格障害や精神遅滞について詳しく分類をされており、その中の一つとして「境界例」というものが提言されています。

「境界(ボーダーライン)」という言葉は日本語にすると少しわかりにくいですが、簡単にいえば精神病と神経症のちょうど中間状態にあるということを示すものです。

1960年代に米国のO.カーンバーグが精神病でも神経症でもない重度な人格障害のことを「境界パーソナリティ構造」と名付けました。

厳密に言うとこの「境界パーソナリティ構造」と「境界性パーソナリティ障害」は完全に一致しない部分もあるのですが、一般的にはほとんど同じ意味として扱われつようになっています。

具体的な境界性パーソナリティ障害の特徴としては、「情緒が不安定」「絶えずイライラしている」「突然怒りを爆発させる」「激しい絶望感にさいなまれる」といったことが挙げられます。

他にも他人から見捨てられるということを極端に恐れており、相手が自分の思い通りの行動をしないことに対して激怒を向けたりします。

カウンセリングや薬物療法で少しずつ改善していく

境界性パーソナリティ障害は病気というわけではないものの、社会生活を送っていく上で非常に問題が多く起こります。

本人にとっても大変ですが、周囲にいる人も巻き込むことがよくあり家族や職場など周囲に境界性パーソナリティ障害の人がいると人間関係のトラブルなどでめちゃくちゃな状態にされてしまうことも珍しくありません。

とりわけ多く見られるのは若い女性で、情緒不安定で他人を攻撃するような言動を繰り返すだけでなく、しばしば自傷行為や過食、浪費、薬物乱用、危険な性行為などといった自らの体を傷つけるような行為を行います。

境界性パーソナリティ障害となる原因としては、幼少期の母子関係の不全が大きく関係しているという説が有力です。

遺伝的な要因も関係していると言われており、遺伝的資質のある人が特定の環境に置かれることで発症することが多いようです。

基本的には若い時期には頻繁に発症をするものの、加齢とともに次第に落ちついていくのですが、長年に渡り症状が見られることもあります。

そうした場合にはまず本人が自身の問題を認識し、精神科医や臨床心理士によるカウンセリングや行動療法をとっていくことで治療を目指します。
気分の落ち込みがひどい場合には薬物療法も同時に行っていきます。