医師のアルバイト

医師のアルバイトについて

医師はアルバイト収入を得られる

医師がアルバイトをすると聞くと奇妙に思う人がいるかもしれません。
一般的にアルバイトといえば、コンビニやファミレス、居酒屋などで大学生やフリーターが行っているのを想像することが多いでしょう。
この場合それほど時給は高くなくて、頑張って働いても正社員と比べればそれほど大きな収入を得ることはできません。

一方、医師の場合は、アルバイトをすることによって、なんと時給1万円を稼ぐことも不可能ではないのです。
より専門性の高い医師であれば、さらに高額な時給を得ることも可能です。
医師として仕事をしながら、空いた時間でアルバイトを行うことにより、高収入を目指すことができるのです。

医師のアルバイト事情

それでは、医師のアルバイトにはどのような種類があるのでしょうか。
大きく分けると日中の外来対応と、夜間の当直対応の2種類があります。

日中の外来対応とは、初診で訪れた患者を見たり、自分の得意とする科目についての専門外来を行います。
午前中だけ行うのか、丸一日行うのかのどちらかとなります。
時給1万円と考えると、午前中だけならば4万円、丸一日アルバイトをすれば8万円稼ぐことができます。

夜間の当直というのは、通常は夜になると常勤医師の数が不足するため、それを補うためにアルバイトを雇うのです。
患者が急変した時の対応をするため、何もなければ当直室で寝ていることもできます。
この場合は、一回につき4万円もらうことができます。

このように医師のアルバイトというのは非常に効率よくお金を稼ぐことができるのです。
もちろん、医師というのは専門的な知識や技術を持っているためこれほど時給が高くなっているのです。
医師の中にはアルバイトだけ行っている人もいます。
たとえば、平日に毎日時給1万円で8時間働くと、年収が約2,000万円に達する計算となります。

これは普通の勤務医の年収よりも高いためおかしいと感じる人がいるかもしれません。
実は、医師の世界では非常勤の方が常勤よりも時給が高く設定されていることが普通なのです。
昔からの慣習が今でも残っているため、時給が高いままとなっています。

もちろんアルバイトといっても、医師として仕事をするため、内容はかなりキツイものとなります。
常勤医として働きながらアルバイトを行うのはかなりの負担となるでしょう。
それでも、時給が良いため、どうしても年収を増やしたいという目的のある方は積極的にアルバイトを行います。
年収という意味においては、医師はアルバイトがあるために恵まれているのです。

日本の医師の労働環境について

医師の労働環境について

日本では医師は患者のために自分の体を犠牲にして奉仕することが求められています。
聖職者という扱いを受けていて、昼夜を問わず患者がいれば診療を拒むことは許されないと考えられています。
医師は病院や怪我人を治すために、一時も休まずに働き続けることを当然のように要求しているのです。

日本では医師の労働環境がとても悪化していて、研修医が過労死した事件もあったほどです。
医師はきちんと労働基準法や最低賃金法によって保護される対象なのです。
そのような認識が生まれたのはつい最近のことであり、これまでは医師は権威者であり、一般の職業とは違う存在であると思われていました。

日本の医師の過酷な労働環境

平成15年度に厚生労働省が病院への立ち入り調査をした結果、なんと7割の病院に問題があるとして指導を受けていたことが分かりました。
つまり、日本の半数以上の病院は医師が働く環境が不適切であるという事実が明るみになったのです。

医師のほとんどは日常的に睡眠不足に陥っています。
休日出勤や時間外労働は当たり前であり、一般のサラリーマンとは比べ物にならないほど過酷な状況となっています。

睡眠時間を削って患者の治療をすることで、ミスが誘発される危険性が高まります。
また、医療技術だけではなく、感情的にも不安定な状態となってしまうでしょう。
スタッフとのコミュニケーションを上手く取れなくて、人間関係に問題を起こしてしまうケースもあります。

それではどうして睡眠時間を削ってまで医師は働き続けなければいけないのでしょうか。
その根本的な原因は日本では医師不足が顕在化しているからです。
医師が不足して、それを補うために過労死寸前まで働き続ける医師が増えて、その結果医療過誤が起きてしまうのです。

医療事故がメディアで取り上げられることが多くなっています。
中には医師の不注意によるものもありますが、その原因がそもそも睡眠不足や疲労困憊によって引き起こされているケースがたくさんあります。

このまま医師の労働環境を悪化させ続けてしまうと、日本の医療現場が崩壊してしまうことになります。
また、医師は年収が高いというイメージがありますが、実際には大企業のサラリーマンよりも安い賃金で働いている勤務医はたくさんいます。

このように、さまざまな点で労働環境が悪化しているため、状況を改善するための方策が求められています。
医師の数を増やすために医学部の定員を増やしたり、女性医師への待遇を改善するなどが行われています。
これから医師になる方は、労働環境の悪さという現実をきちんと受け止めておきましょう。

アメリカの医療

アメリカの医療教育制度

日本とアメリカの違い

医者を育成するための医療教育制度はとても重要です。
どのような制度を採用しているのか、その中身についてはそれぞれの国によって異なっています。
日本では、ドイツ由来の講座制を採用していて、それぞれの大学が独自に医学教育を行うために、アメリカのようなシステム的な教育とは異なってものとなっています。

アメリカの医学教育は世界中から注目されていて、日本も参考にするべき点がたくさんあります。
医学教育が上手くいけば、医師不足を解消したり、医師の実力を高めることにつながります。

日本では大学受験の中でも最も難しいのが医学部であるとされていて、教科の成績が優れている人が医学部を志望する傾向が強いです。
そのため、医師になりたい動機が弱いケースが多いのが問題となっています。

一方、アメリカの場合は、高校を卒業した後に4年制大学に進学して、そこを卒業してから医科大学に進学します。
つまり、きちんとカレッジでの教育を受けた上で、自分の将来のことを考えて、本当に医師になりたい方が医学部に進学する仕組みが整っているのです。

また、日本では医学部に進学してから医師になるまで無収入で生活していかなければいけません。
そのため、親がお金持ちの子弟が医学部に進学することが多くて、温室育ちの医師が多いと揶揄される原因となっています。
一方、アメリカではお金持ちに限定せず、さまざまな層の子弟が医師になろうとしているため、人材が幅広いです。

アメリカの医療教育制度について

アメリカでは4年制大学でまずは主専攻や物理学、化学、生物学などを学びます。
その後は、メディカルスクールに進学し、修了すると医学博士になります。
インターンシップでは、1年間の臨床研修を受けます。

その後に、さらに各科の研修を受けて、認定試験があり、フェローシップという専門研修があります。
最終的には専門認定試験を受験して合格すると初めて医療行為を行う資格を得ます。

アメリカでは臨床研修制度が充実していて、多様な症例があり、教育スタッフや講義が充実しています。
研修医を採用する病院はきちんと審査する決まりとなっています。
また、研修医教育をする病院に対して公的扶助があります。

アメリカでは医師になりたいという強い意志のある人が、きちんと技術修練をした結果初めて医師になれます。
医療技術を習得することを重視していて、単位を取得するだけでいいという考えをしていません。
このようなアメリカの姿勢の中には日本が見習うべきことがたくさんあるでしょう。

安楽死

安楽死の是非について

安楽死とは

現代は医療が高度に発達しているため、とても自力で生きていくことができないような状態でも、延命措置を施すことが可能となっています。
これは人間にとって良いことのようですが、それに伴い安楽死の問題が浮上しました。

安楽死というのは、人間の尊厳を守り、延命措置を図らずに死なせてあげることです。
安楽死には本人の意志による場合と、遺族の決断による場合の2種類があります。

たとえば、病気や怪我により耐えられないほどの苦痛を味わっていて、回復する見込みのない場合には安楽死を選びたいという患者は存在するでしょう。
あるいは、意識不明の重体となり、このまま延命措置を図ったとしても意識を回復することがないならば、このまま死なせてあげるという選択を遺族が望む場合もあります。

日本での安楽死

日本では名古屋安楽死事件という有名なものがあります。
これは、息子が父親に毒薬入りの牛乳を飲ませて安楽死させました。
この場合は、医師以外の人間が行い、倫理的に許容できない方法であったため殺人罪に問われました。

別の例として、1991年に入院患者の兄から楽にしてやってくれと頼まれて、患者を死亡させた事件がありました。
この場合は、本人が意識不明であったため殺人罪により起訴されました。
これは日本で初めて安楽死により有罪判決を受けたケースとなります。

これから医師になる方にとって安楽死は非常に重要な問題となるでしょう。
日本では刑事責任を問われているケースもあれば、問われなかったケースも存在します。
このような状況であり、医師の中には終末医療に関して悩みや不安を抱えている人がたくさんいます。

アメリカやオランダなど世界中で安楽死が問題となっていますが、それぞれの国により対応は異なります。
たとえば、フランスでは法律によって安楽死は禁止されています。
一方、オランダの場合は幼児や新生児に対しても安楽死を容認しています。

本来、医者というのは患者ができるだけ長く生きられるように努めるものです。
そのような意味においては、安楽死とは医者の役割としては矛盾したものとなります。
患者が自分の意志により死にたいと思った時に、それを助けても罪にならない国と、罪になる国が存在しています。

日本では法的規制上安楽死を行うことは不可能となっています。
しかし、これから先どのように法律が改正されていくのか分かりません。
医師として働く場合、さまざまな場面で安楽死の問題と遭遇することになるため、自分なりの意見を持っておくことは大切でしょう。