マスメディアが果たす役割

医療とメディアの関係

医療について考える時にメディアはとても重要な役割を果たしています。
医療においては関係者の合意形成が重要であるとされています。
そして、これを実現させるためにはマスコミの力が必要不可欠となるのです。

マスコミの報道によって世論が一変することは珍しくありません。
たとえば、STAP細胞の例では、短期間で一般の方の意見が180度変わってしまいました。
メディア報道の影響力の強さはとても大きなものとなっています。

それではメディアが医療をどのように報道してきたのでしょうか。
近年では医療崩壊や医師不足という言葉が連日マスコミで報道されています。
これにより、国民が日本は医療が崩壊しているのだという認識を持つようになりました。

その結果として、医学部の定員が増員して、特に医師が不足している小児科や産科、外科に重点配分されるように政策が転換されました。
世論の後押しが強ければ、たとえ反対が強かったとしても政策を強行することが可能なのです。
たとえば、2010年には財務省の反対がありながらも診療報酬を増やしました。

しかし、上記の医療政策は民主党のものであり、政権交代してからは国民の医療への関心そのものが低下してしまいました。
その結果として、再び従来型の政策が増えるようになりました。

医学や政治におけるリーダーが必要

マスメディアの報道の内容を左右するのは医学界や政治界のリーダーの役割です。
多様に存在する意見をまとめて、今本当に必要なのはどのようなことなのかを発信することが大切です。
そうすることによって、マスメディアがそれを報道して、国民的コンセンサスができあがります。

依然として医師不足や看護師不足は問題となっています。
医師不足による病院の閉鎖や救急車のたらい回しなどが行われていて大問題となっているのです。
しかし、メディアはあまり報道しなくなりました。

2014年のSTAP細胞事件はメディアで長期にわたり報道されました。
これによって、医学研究には不正が横行しているという認識が広まってしまいました。

このようにメディアの報道の内容が国民の考え方や印象を左右してしまいます。
このような現状を打破するためにも、積極的に解決策を提言するリーダー的な存在が求められているのです。
それによって、マスメディアの報道を方向づけることによって、国民が正しい認識を持つようになります。

また、国民の方でもマスメディアの報道をきちんと理解することが大切です。
あくまでもマスメディアは一方的な見方を報道するだけであり、最終的には自分で判断をするための力を身につけなければいけません。
そのためには、医師が市民セミナーを開催したり、地域住民と交流を図ることが重要となるでしょう。