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手塚治虫(漫画家)

医療

神様と呼ばれるほど

医療関係の資格を持っている有名人、というよりは「持っていた有名人」となってしまいますが、次に紹介するのは日本人なら知らない人はいないでしょう、漫画界の神様としてもはや崇拝の対象ともなっている人物「手塚治虫」です。
本名は治ですが、ペンネームを考えた当時昆虫が好きであったということもあって虫を入れた名前となりました。
今ではすっかり漫画界の神様として知られている手塚治虫ですが、彼の生きた時代において「漫画」というものは現在における「漫画」とは大きく違ったものでした。

というのも、手塚治虫が生きた少年時代は戦時中です。
そのため、「漫画」にうつつを抜かしている、ということで教師から怒られるようなことも少なくありませんでした。
そんな中でも自分の好きなことを貫き通したことが、現在においても知られる手塚治虫を形成したのだと考えられるでしょう。
ただ、いきなり漫画家となったわけではなく、その人生には大きなうねりが存在していました。

戦争が終わり、戦争体験を経て命についての重要性を考えた手塚治虫は最初、医学の道へと進んでいます。
実際に医学部を卒業するだけではなく、医学博士号まで取得するなど、医学の世界においてもその道を極めました。
しかし、その後医師として活動するのではなく、やはり最初に選んだ道ということで漫画の道へと戻ってきました。

ブラックジャック

その「医学部」での経験が生かされている作品があります。
読んだことがある人も多いでしょうし、アニメ化された作品を見たことがある人も多いでしょう、「ブラックジャック」です。
医学漫画といえば何かと言われた時に、多くの人がこの漫画を挙げるのではないでしょうか。
この漫画は「間黒男」という無免許の外科医が、様々な難病や怪我を外科手術によって治す、というストーリーとなっています。

医学博士であった知識を活かして様々な病気についての描写が行われているのが特徴で、内蔵の描写などもかなり鮮明に行われていました。
ただ、ブラックジャックがこれほど人気のある漫画となったのは、それだけが理由であったというわけではありません。
実はブラックジャックに登場する病気というのは、全てが実在しているものではなく、実際には存在しないようなものも多く登場しました。
言うなれば「ウソの病気」であるにも関わらず、リアリティがあるように描かれていたことが大きなポイントとなっていたといえるでしょう。

中には「宇宙人」や「鳥人間」を手術する回や、「機会」を手術する回すらありました。
さらに鏡を使って自分の腹からエキノコックスを取り出すという離れ業もこなすなど、「現実とフィクション」のバランスが優れていたのが特徴と言えるでしょう。