大腸がん

男女とも罹患率が増加傾向にあるがん

日本人の死亡原因第一位の病気といえばがんですが、その中でも非常に大きな割合を占めるのが大腸がんです。
がんは全身どの部分にも起こり得る恐ろしい病気なのですが、部位別に見た時男女とも大腸がんの罹患率はほかの場所よりもかなり高いことがわかります。

特に女性の場合はがんによる死亡原因のトップとなっており、現在も増加傾向にあることから早めの予防対策が喫緊の課題となっています。

1年間のうちに大腸がんと診断を受ける人は男性で約7万人、女性で約5万人とかなりの人数です。
特に40歳から年齢が高くなるにつれ急激に増加していく傾向があるため、中年期以降の健康管理では重点的にチェックをしていきたいところです。

人の体の中にある大腸は、消化器官の一番下流に位置しておりちょうど下腹のあたりを大きく一周するような形で収まっています。

大腸の役割は飲食をしたものの水分吸収を行うことと体外に排出する便を作るということです。
便には食べ物の残りカスや腸内で剥がれ落ちた細胞、さらに腸内に数多く存在している細菌類が含まれています。

大腸がんとはこの内部の細胞の一部が悪性腫瘍化をしてしまうことによって起こり、腸内が狭くなってしまったり内壁から出血が起こったりします。

大腸がんは自覚症状が出にくいがんと言われており、気がついたらかなりのステージにまで進行してしまっていたということも珍しくありません。

ですが全く自覚症状がないまま進むというわけでもありませんので、日常生活の中で起こるちょっとした変化にも気をつけ、定期的に健診を受けるようにしましょう。

ステージが進んでも治療は可能です

大腸がんの進行はステージ0~ステージ4までの5段階となっています。
このうちステージ0~1を早期がん、ステージ2以降を進行がんとしています。

早期がんのうちはがん細胞はまだ大腸内にとどまっているため、早期に発見することができればその病巣を取り除くことで治療は完了します。

しかし進行がんになってしまうと大腸以外の部位に転移をしはじめているため、手術をするにしてもかなり大規模なものとなってしまいます。
完治が可能とされているのはステージ3までで、この段階までなら80%の確率で治せます。

大腸がんを早期に発見するための自己診断のポイントとしては「便に粘液や血が混じる」「下痢・便秘が周期的に繰り返される」「お腹にしこりを感じる」「便をしたあとに残便感がある」「便意があっても便が出ないことがある」といったことが挙げられます。

発見が遅れるケースとして、「痔だと思って放置していた」ということがあります。
痔の場合の出血は鮮血に近い赤色ですが、大腸内からの出血は黒みがあったり固まりになっていたりします。

肺気腫

喫煙者に多く見られる深刻な肺の病気

肺気腫とは、人の体の中で呼吸を司る肺の機能が大きく損なわれることによって起こる病気です。
人の肺はちょうど胸の奥の左右に位置しており、鼻や口から吸い込んだ息を内部に取り込み酸素を体内に吸収し炭酸ガスを外に出すという働きをします。

この空気の受取を行うのが肺の中で細かく枝分かれしている気道の先にある「肺胞」です。
肺胞は細かい袋のような形をしている器官ですが、これが病気によって壁が壊れてしまうと複数の肺胞が結合した状態になります。

肺胞の壁が壊れてしまうことにより弾力性が損なわれてしまうため、吸い込んだ空気から上手に酸素と炭酸ガスの交換ができなくなってしまいます。

そのため血中の酸素濃度が低くなってしまい、呼吸不全の状態となって息苦しさや息切れが生じやすくなります。
これがいわゆる「肺気腫(びまん性肺気腫)」と言われる症状で、ひどくなると肺性心という心臓病の原因になります。

なぜ肺気腫になるのかということについてはまだはっきりわかっていない部分もあるのですが、喫煙習慣のある人に多く患者さんが見られることからタバコによる影響が大きいものと言われます。

肺気腫はしばしば「慢性気管支炎」という気管支部分に炎症が起きて気道が狭くなる病気を同時に発生しますので、この2つの病気を合わせて「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」と呼びます。

進行性の病気であり完治は難しい

肺気腫とタバコの関係は確実ですが、タバコを吸っている人の全てが肺気腫になるというわけではありません。
タバコを吸っている人の中には生まれつき肺胞の壁が弱い体質の人がいて、そうした人が長年喫煙をしていくことで肺気腫が発症しやすくなるのではないかというのが現在の有力説です。

一度壊れてしまった肺胞は再び復活することはなく、むしろ時間の経過とともに症状はどんどん悪化していってしまいます。

そのため肺気腫として診断をされた場合、治療方法として取られるのはあくまでも対処療法であり、完全に回復をするということは期待できません。

肺気腫の主な症状は肺機能の著しい低下なので、少し動いただけでも息切れがしたり、咳や痰がしょっちゅう出るようになります。

人は生きていくために呼吸を必ずしなければいけないため、常に酸素が足りない状況に置かれる肺気腫はかなり日常生活を制限することとなります。

自己診断をする場合のチェック項目としては「階段ですぐ息切れする」「首が太くなったように思う」「毎日のように咳や痰が出る」といったことがあります。

特に40歳以上からの罹患率が非常に高いということも特徴になっているため、できるだけ早く喫煙習慣をやめるとともに心肺機能を高めるための運動習慣をつけていくということが最大の予防方法と言えます。

アルコール依存症

社会生活に大きな悪影響をおよぼすアルコール依存症

アルコール依存症は精神病理の一つである「依存性」の代表的な存在です。
お酒は適度な分量で楽しむのであればストレス解消など役に立つのですが、過度な飲酒を繰り返すことにより次第に自分ではコントロールがきかなくなってきます。

「依存性」には二種類あり「身体依存」と「精神依存」に分類をすることができます。
「身体依存」とは薬物にたいする耐性がついてしまうことにより禁断症状が現れることをさし、「精神依存」とは心理的な欲求を自制することができなくなることをさします。

アルコール依存症はこの身体依存と精神依存の両方が関係する非常に難しい状態のことで、長く状態が継続することにより内臓疾患などの健康被害が出るとともに人間関係のトラブルを作り出すもとになってきます。

依存症となった自分自身だけでなく周囲の人間をも巻き込むことになる深刻な症状であるため、できるだけ早い段階で依存状態に気づき早めに改善をしていくようにすることが大切です。

依存は本人の心の弱さによって起こるものではない

アルコール依存症を含む多くの依存症状で問題になるのが、本人やその家族ができるだけ身内の問題として隠して解決をしようとするということが多いという点です。

よく「アルコール依存症になるのは心の弱い人間だからだ」といった自己責任論ではねつけるような意見を耳にしますが、依存状態のうち身体依存を含むものは特に意志の強さは関係ありません。

仮に最初のきっかけが本人の心の弱さに起因するものであったとしても、既に依存状態になっている人に対して厳しい自己責任論を投げつけても全く解決に結びつくことはありません。

まずはアルコール依存症は病気なのだということを家族や周囲の人がしっかりと理解をし、サポートをしながらゆっくり時間をかけて解決をしていくようにしましょう。

近年ではアルコール依存症患者さんが増加したことから、病院で専門外来を受け付けるところもあります。
依存症から抜け出すための民間団体として「ダルク」という組織もありますので、気軽に相談をしてみるのもよいでしょう。

アルコール依存症が疑われる症状

ただ単にお酒が好きで毎日晩酌をしている程度の人をアルコール依存症とは言いません。
依存症というのは強迫観念にとらわれ、常に飲酒をしていないといけない気持ちになっていることを言うからです。

アルコール依存症の人に共通しているのが自分が依存状態にあることを認めないということで、否定するほど意固地になってしまう傾向があります。

ウソをつく、経済的に困窮しても同じことを繰り返す、周囲から孤立して自分の殻にこもるといったこともよくある依存症患者の特徴です。

糖尿病

不可逆的に進行する重大な生活習慣病

中年期以降の健康維持に最も重要なのが生活習慣病の予防です。
生活習慣病とは食習慣や運動習慣、休養の方法、嗜好といったものが総合して悪化される病気一般のことで、糖尿病、高血圧、がん、脳卒中、心臓病といったものが含まれます。

その中にあって最も代表的な病気とされているのが糖尿病です。
糖尿病患者の数は日本国内で約890万人と推計されており、その予備軍も含めて約2,210万人にもおよぶと言われます。

これは日本の人口の1~2%にもなる数字であり、さらに近年増加傾向があることから早い段階から病気の特徴を知り正しく対策をしていくということが課題です。

糖尿病を含む生活習慣病を防ぐ方法として掲げられているのが「一無・二少・三多」というものでそれぞれ「禁煙・少食/少酒・多動/多休/多接」ということを示しています。

毎年2月に行われる生活習慣病の予防活動を行う「生活習慣病予防月間」においてはこのキャッチフレーズをもとに個別の対策が推奨されます。

糖尿病が生活習慣病予防の中でもとりわけ難しいのは、不可逆的に症状が進んでしまうからです。
つまり一旦糖尿病の状態になるとそこから完治をすることはできず、その後の人生をずっと対処療法で過ごしていかなければならないということです。

糖尿病の中には先天的な「一次性糖尿病」と、後天的な「二次性糖尿病」とに区別をすることができます。
一次性糖尿病は幼少期から発症することが多く原因がはっきりわからない遺伝的なものですが、二次性糖尿病は原因が比較的わかりやすく予防がしやすいという特徴があります。

糖尿病の進行によって起こることとは

糖尿病は体内のインスリンというホルモンが低下することにより、血糖値が慢性的に高くなるという症状が起こります。

そのため重度に進行した糖尿病患者は、外部からインスリンを自己注射しなくてはならなくなり、日常生活にも影響が出てきます。

糖尿病の初期症状としては「喉が渇く」「頻尿」「多尿」といったことがあり、さらに尿中にタンパク質が多く含まれるようになることから泡立ったように見えます。

また糖尿病になると食事で摂取した糖分が体内に吸収されにくくなるので、食べても満腹感を感じることができず食事をしてもすぐ空腹感を感じます。

糖尿病で怖いのは症状を放置することにより合併症が発症するということです。
糖尿病の合併症としては「神経障害」「網膜症」「壊疽」「白内障」「感染症」などがあげられ、いずれも非常に危険な病気です。

突然に意識がなくなってしまうということもあり、自動車の運転や工事現場など危険な場所での作業においては周囲の人を危険にさらしてしまうこともあります。