腎臓病

慢性化することで治療が難しくなる腎臓病

腎臓は人の体の脊柱の両側にあり、そら豆のような形状をしている臓器です。
大きさは成人でも片側約150グラム程度なので決して大きなものではないのですが、人体の生命維持においては非常に重要な役割をしています。

腎臓には腎動脈、腎静脈、尿管の3つの大きな管がつながっており血液中の老廃物を取り除き浄化をする働きをしています。

つまりもし腎臓機能が損なわれてしまうと血液中の老廃物が排出されずにずっと体内に留まることになってしまうので、尿毒症といった重篤な症状が起こります。

腎臓機能が衰えることを「腎不全」といいますが、初期症状としては尿の量が減る、血尿が出るようになるといったことがあり、尿検査をしたときにタンパク質が多く含まれるようになります。

人の尿は体内の老廃物(尿毒素)を体外に出すという非常に重要な役割をしているため、それがされず長く尿毒素が体にとどまると食欲不振や吐き気、頭痛、注意力散漫といったような症状が現れます。

重度に進行していくと意識障害やけいれんといったものも起こるので、早期発見とともに適切な治療をしていく必要があります。

腎臓に関する病気で難しいのは、進行をしてしまうと完全に治すことができないということです。
腎臓病として分類されるものとしては「急性腎炎」「ネフローゼ症候群」といったものもありますが、患者数でいくと圧倒的に多いのは「慢性腎臓病(CKD)」です。

CKDは腎臓の働きが健康な人の60%以下に低下している状態をさすもので、タンパク尿など腎機能の低下がはっきり見られるようになります。

CKD治療と人工透析について

慢性腎不全は常に体内に尿毒素や余分な水分が蓄積されるようになるため、人工透析により老廃物を取り除く治療を受けなくてはいけません。

ただし透析治療を必要とするのはかなりCKDが進行してからとなるので、早期に発見することができれば投薬治療や生活習慣の改善により悪化を防ぐことが可能です。

透析を受ける必要がない状態のことを「腎不全保存期」といい、降圧薬による血圧の管理をしながら、塩分や水分をおさえた食事療法をしていくことになります。

腎不全保存期での治療もむなしく腎機能が低下してしまうと末期腎不全となり透析治療を行うこととなります。
人工透析治療はあくまでも対処療法であり、根本的な治療をするためには腎臓移植手術をうけることが必要です。

腎不全は第1期~第4期までのステージがあるため、定期的な検査を受けて状態を確認するとともに普段から腎機能を損なわないための生活をしていくことが重要です。

CKDが悪化する要因としては「喫煙」「過度の飲酒」「運動不足」「不規則な生活」といったことが挙げられます。

悪性黒色腫

皮膚の一部が変色するがんの一種

「悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)」は、皮膚の内部の細胞が腫瘍化しておこる皮膚がんの一種です。

人間の皮膚は表皮・真皮・皮下組織という3つの層によって成り立っています。
このうち体の表面に近い表皮にはさらに角質層・顆粒層・有棘層・基底層という4つの層によってなっており、生命活動による代謝により下から上へと持ち上がっていくようにして入れ替わりが行われます。

しかしほくろやシミ、そばかすといった皮膚に常に残り続ける色素もあり、そうしたものは皮膚細胞の一部にメラノサイトという色素細胞ができることにより発生します。

表皮基底層にあるメラノサイトは誰の体の中にもあり、通常であれば健康に問題なく機能をしていくものなのですが、何らかのきっかけによりメラノサイトが変形をしてメラノーマとなり長く皮膚に残ってしまうことがあります。

これが悪性化することで腫瘍となりがん細胞として拡大していきます。
メラノーマができる場所は特に決まっておらず、足の裏や手のひら、爪、顔、胸、背中など広範囲で発生する可能性があります。

症例としてはあまり多くありませんが、眼球や鼻の中、口の中、肛門といった場所に発生することもありなかなか発見ができないというケースもあります。

それまでなかったようなほくろができたり、それが大きくなってきていたりしたら悪性黒色腫の可能性が高いため早めに皮膚科を受診した方がよいでしょう。

悪性黒色腫のできる原因と早期発見のコツ

本来悪性黒色腫は白人に多く発症する病気です。
しかし日本人の発症例もゼロではなく、人口10万人あたり1~2人の割合で発症をします。

厚生労働省の統計によると2011年度の日本国内の患者数は約4,000人となっており、女性の方が若干多く発症しています。

また発症年代は50歳代から急増しており60~70代の発症率が大半を占めます。
ただし20~40歳でも発症例があるため誰にでも可能性のある病気あるということは知っておきたいところです。

悪性黒色腫の原因は、遺伝的な要因と環境要因の両方が関係していると言われます。
白色人種の発症率が高いということから遺伝的な要因がかなり大きいということははっきりしていますが、その他に環境要因として「紫外線を多く浴びる」「特殊な薬品を長く使用した」といったようなことも関わってきます。

悪性黒色腫を早期に発見するためには、自分の体に新しくできたほくろがないかということに注意することが大切です。

特に「形が非対称」「辺縁がギザギザしていて色のにじみがある」「色にムラがある」「大きさが6mm以上ある」「大きさが拡大したり形が変わってきている」といったものは要注意です。

摂食障害

10~20代の女性に多く見られる生理的な障害

世の中にあふれるダイエット情報の影響もあり、女性のほとんどが自分自身のことを「太っている」と認識してしまっています。

太っていることは醜いことであるという刷り込みを幼い頃から植え付けられることにより、本来必要な栄養を摂取せず栄養失調の状態で毎日を過ごしている人もかなりの数で見られています。

中でも10~20代の女性は誤った方法でダイエットをしていくことが多く、あまりにも強迫観念的に「痩せなくてはいけない」と思い込むことにより摂食障害を発症してしまうケースがあります。

摂食障害とは拒食症および過食症のことで、精神的な原因による異常な食行動をとってしまうというところが特徴です。

摂食障害に似た行動をとるケースとして脳の器質的障害もしくは精神障害によるものもありますが、それらは厳密には神経症としての摂食障害には含まれません。

正確な摂食障害の定義は「神経性無食欲症」「神経性大食症」の2つに大別されており、何らかの心理的な問題によって異常な食行動を起こします。

具体的には思春期の女性によく見られるような「肥満への嫌悪感」から自分自身で許容できる体重を著しく低く設定をしてしまうような場合です。

標準体重の85%以下であるにも関わらずなおも痩せようとすることと定義されており、そうした人はしばしば拒食と過食を繰り返す行動をとります。

摂食障害による体への影響と改善法

摂食障害のうちとりわけ問題が大きいのは「神経性無食欲症」の方です。
これは先に説明をしたような若い女性の極端な食事制限のことで障害により「生理が止まる(無月経)」「脈拍や血圧が低下する」「体温が低下する」といった症状が起こり、最悪の場合には生命の危機にも陥ります。

一方の「神経性大食症」は逆に一度に大量の食物を食べるむちゃ食いのことを言います。
過度な食事や暴飲暴食といった行動は神経症ではない人であってもストレス解消のためにしばしば行うものですが、摂食障害の場合それをしたあとに代償行為をするというところに特徴があります。

摂食障害における代償行為とは「嘔吐や下剤の使用」「絶食」といったもので、胃腸に負担をかけることで内臓機能が衰えてしまったり、逆流した胃液により歯が溶けてしまったりします。

摂食障害になりやすいのは若い女性のうち特に物静かで従順な優等生タイプとされます。
一見しっかりしていそうな子が突然発症することもあり、表面的にしか自我が形成されていなかったためにちょっとしたきっかけで神経症となってしまうようです。

治療のためにはまずは親子関係など精神面の不安を取り除くカウンセリングを行い、周囲のサポートを受けながら少しずつ改善していくことが大切です。

パニック障害

突然の発作により恐怖が引き起こされる症状

神経症状のうち、何らかの事物を前にしたときに強い恐怖心を覚えるものを「恐怖症」と言います。
恐怖症には「対人気恐怖症」や「高所恐怖症」「閉所恐怖症」といったようなものがありますが、いずれも特定の環境に置かれることで発症するというところに特徴があります。

そのような恐怖症の症状が、特に何の前触れもなく突然起こるのが「パニック障害」です。
パニック障害の場合、何らかの環境や接触をすることなく突然不可解な「不安発作(パニック発作)」が起こります。

不安発作の具体的な内容としては、心拍数が上がる、大量の発汗がある、息苦しくなる、身震いがする、胸が痛くなる、吐き気をもよおすといったことが挙げられます。

ひどい場合には自分が今いる場所がどこかわからなくなってしまったり、現実感がなくなるといった混乱が起こったりします。

こうした不安発作は「もうすぐ自分は死んでしまう」といった強い不安感を感じることもあるため、場合によっては自制心をなくした行動をとることもあります。

一度パニック発作を経験するとそのことがまた新たな不安として記憶に残ってしまうので、再度不安発作が起こりやすくなり外出や社会生活が送れなくなってしまいます。

パニック障害の原因と治療方法

パニック障害とよく似た神経症として「全般性不安障害」というものがあります。
これは突然不安発作が起こるパニック障害とやや異なり、慢性的に不安を感じ続けるようになるものです。

全般性不安障害の場合原因は心理的な要因によるのですが、パニック障害はそうした心理要因に加え生物学的要因が関係しています。

人は不安を感じたとき脳内に神経伝達物質が多く分泌されるのですが、このバランスが崩れることにより心理的な不安を感じていないにも関わらず誤った神経物質が分泌されてしまうことがあります。

パニック障害の原因となる神経伝達物質としては、恐怖や不安を感じた時に分泌される「ノルアドレナリン」と、興奮状態をおさえる「セロトニン」という2つが挙げられます。

なぜこのような誤った分泌が行われるかということについてはまだ完全にメカニズムが解明されているわけではありません。

ですがパニック障害を発症している人に対し、セロトニンを多く分泌されるようにしていくことで症状を緩和することができるということがわかっています。

パニック発作はうつ病の症状がある人にもしばしば起こります。
理由なく不安感を感じるという場合は心療内科や精神科を受診することにより、症状をおさえるための薬物療法を受けることができます。

同時に心理療法として認知行動療法や自律訓練法を専門医の指導のもと行っていくことで、精神的な安定を取り戻していけます。